出生前診断のメリット・デメリットは?検査方法や費用は?

子育てコラム

「生れてくる赤ちゃんは障害を持っていないだろうか」という不安は、多くの妊婦さんが持っています。

特に日本は30代後半で妊娠・出産する方が増えているので、染色体異常の可能性が分かる出生前診断について考えたことがある方は多いようです。

でも出生前診断を受けるメリット・デメリットは何でしょうか。どんな方法で調べるのか、費用はどれくらいかかるのでしょうか。出生前診断についてまとめました。

出生前診断の2つのメリットとは?

赤ちゃんに異常があるかを知ることができる

赤ちゃんが染色体異常を持って生まれてくる可能性は、妊婦さんの年齢が高齢になるほど高くなります。

例えばダウン症の赤ちゃんが生まれてくる可能性は、妊婦さんが20歳の時だと0.8%ですが、30歳では1.1%、40歳では9.4%と、30代後半になると一気に可能性が上がります。

そのため40代近くで妊娠した方は、赤ちゃんの健康状態に不安を持つ方が多くいます。

あるアンケートによると、妊婦さんの半数以上の方が「赤ちゃんがちゃんと育つのか」が不安という結果もあり、年齢に関係なく赤ちゃんの健康状態には関心があることが分かります。そのため、出生前診断によって赤ちゃんに染色体異常が無いことが分かると、精神面での不安をかなり減らすことができます。

赤ちゃんの異常を知ることで心構えができる

出生前診断で赤ちゃんの異常が分かるということは、生れてくるまでの間にダウン症についての知識を深める時間があるということです。

ネットや書籍の中には、ダウン症を持った子供を育ててきた記録や、どんな気持ちで子育てをしてきたか、どのように子供と接してきたかという情報もたくさん載せられています。

そのような情報をたくさん取り入れておくと、自分の子供にも当てはめやすく、前向きな気持ちで子育てに取り組むことができます。

もし出生前診断を受けずに、生れてきた赤ちゃんが異常を持っていたことが事前に分からなかった場合、その症状を知った時に受けるショックや不安は大きなものになるかもしれません。

でも事前に知っていると、前向きな気持ちを持ち、しっかりと育てていこうと決意を強めるものになり、赤ちゃんとの向き合い方も変わることでしょう。

出生前診断の2つのデメリットとは?

赤ちゃんの異常を知ることで気が動転する

出生前診断で異常が発見されると、妊婦さんは気が動転し混乱するかもしれません。

「検査結果は信用できるのか、このまま育てていいのか、自分に育てられるか、家族や周りは何て言うだろうか」など今まで考えなかったことが頭から離れなくなる場合があります。

その中でも大きな悩みになるのは、赤ちゃんを生むか生まないかを決めることです。

次の見出しで検査方法に触れますが、精度の高い検査は、ある程度妊娠週数が進んでからでないと受けられないので、生むか生まないかの決定をするまでに残された時間は数週間と多くはありません。

その短い期間の中で重要な決定をするのは本当に大変なことです。この決定がなかなかできずに、精神的負担が大きくなり、うつ病を発症する妊婦さんもいます。

検査でわからない病気・異常もある

出生前診断で分かる病気や異常は先天性疾患のうち4分の1です。

そのため全ての病気や異常を発見できるわけではなく、染色体異常の検査は問題なくても、赤ちゃんが生れてから先天性異常が分かる場合もあります。

出生前診断の検査方法にはどんなものがある?

大きく分けると染色体異常の疑いが分かる「非確定検査」と精度ほぼ100%の「確定検査」の2つがあります。

「非確定検査」はエコーや採血のみで検査ができるため、母子への影響は低く、妊娠週数の早い時期から検査を受けることができるメリットがあります。

その反面精度が低いデメリットもあります。非確定検査で異常が見つかった場合は、確定検査を受けて再度確認することがすすめられています。

「確定検査」は針を刺して羊水や絨毛を取って検査するため、流死産のリスクがありますが、検査の精度はほぼ100%です。

不確定検査で異常が見つかった方や、赤ちゃんに異常があるかを確実に知りたい方が受けることがすすめられています。

非確定検査の種類と検査時期

コンバインド検査

検査可能時期:11週以降、費用:2万円前後

超音波(エコー)検査と採血での検査を組み合わせたもので、ダウン症候群(21トリソミー)・エドワーズ症候群(18トリソミー)の可能性を検査できます。超音波検査ではNT(赤ちゃんの首の後ろのむくみ)を測定し、採血では胎盤由来の2つのタンパク成分の値を測定します。

新型出生前診断(NIPT)

検査可能時期:10週以降、費用:20万円前後

妊婦さんの血液中にある、赤ちゃん由来のDNA断片を解析することで、ダウン 症候群(21トリソミー)・エドワーズ症候群(18トリソミー)・パトー症候群(13トリソミー)の可能性を検査できます。

確定検査

羊水検査

検査可能時期:15週以降、費用:10万円前後

妊婦さんのお腹に針を刺して羊水を採取し、その中にある赤ちゃん由来の細胞を検査する方法で、染色体疾患全般を調べることができ、精度も非常に高いです。しかし破水・出血・子宮内感染・早産などの合併症が生じる可能性もあり、リスクが伴う検査方法です。

絨毛検査

検査可能時期:9週以降、費用:10万円前後

絨毛は将来胎盤となる部分で、その細胞を採取して検査します。羊水検査よりも早い時期に検査できますが、羊水検査と同じくリスクが伴います。

出生前診断を受けるための3つの条件とは?

出生前診断は全ての妊婦さんが受けられるわけではありません。3つの条件のうちのいずれかに当てはまる方が受けられます。

  • 分娩予定日時点の年齢が35歳以上の方
  • ダウン症候群・エドワーズ症候群・パトー症候群の赤ちゃんを妊娠・出産したことがある方
  • 担当医師から染色体異常の可能性を指摘された方

この5年間で約5万人の妊婦が検査を受けているようです。基本的には国の認可を受けた医療機関での検査となりますが、認可を受けていない医療機関でも、検査は受けられるようです。(法律上の罰則はない)

ここ最近の出生前診断についての新たな指針

最近見られる新たな流れとして、日本産科婦人科学会は、診療所など小規模な医療機関でも出生前診断が受けられるように指針を改定したと発表しました。

出生前診断がより多くの場所で受けられることにより、順番待ちや自宅から遠い場所にある医療機関に行かなくてもよくなるので、検査を受けるハードルは下がるかもしれませんが、中絶する人が増えたり、道徳モラルが低下するといった懸念点もあります。

出生前診断をするかどうかについては賛否両論ありますが、納得がいく選択をするために、周りの友人や専門家にアドバイスを求めて、慎重に決定しましょう。

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